世界の国からこんにちは

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彼は蟻の王として現れ、いち「個」として立ち去った

これまで8回にわたって、
「HUNTER×HUNTER」(全148話) の
「キメラ=アント編」(76~136話)から、
王とコムギに焦点を合わせて (103~135話)
ご紹介して来た。

こちらのアニメサイトで全編を見られる。
(スペイン語字幕付き)
   ↓
HUNTER×HUNTER (2011) ANIME FLV

これらのシリーズから、
恐らく原作者の意図とは異なるであろうが、

上記のタイトルのもとに、
私が感じ、印象に残ったことを
まとめてみたい。
(タイトルがすべてを物語っているのであるが)

これまでに紹介しなかった画像も幾つか
ご紹介したかった。

原作者の意図と異なると思われるのは、
例えば、
本物のディーゴ総帥の作として紹介されている
「乾杯しよう、乾杯しようじゃないか」
で始まる詩は、
私には、
「空の空、空の空、いっさいは空である」
で始まる旧訳聖書の「伝道の書」(コへレトの言葉)
のように聞こえて、
その場所 (境地) にいない私は
疑問の余地もなく、パスしたのだが、
この詩は、135話の、
王とコムギの最後の対局の直前に
配置されているのであるから、
それなりの意味を持たせているに違いない。

しかし、
そもそも人は、
同じものを見ても、
それぞれに見方が異なるのであるから、
結局のところ、皆が皆、
見たいものだけを見ているのである。
そして、得たいものを得る。


天才少年と天才少女

主人公の2人、
メルエムもコムギも
非凡で、極めて特異な存在として描かれている。

メルエムは、
キメラ=アントという種の頂点に相応しい
「サラブレッド」として、
コムギは人間の、貧農の大家族の一員として生まれ、
それぞれ境遇を異にしているが、
どちらも特殊な才能の持ち主で、
年齢的にも、ほぼ同じくらいであろうか、
恐らく、15歳くらいの少年、少女であろう。


メルエム

メルエムという存在と、その生涯は、実に興味深い。
(誰もがキメラ=アントの王として
生まれる機会が持てる訳ではないのであるから)

彼の母であるキメラ=アントの女王は、
王を生むことを自分の使命だと考え、
王が胎内に宿って以来、
その誕生を心待ちにし、
絶対的な愛情を注いでいた。

Reina Quimera 92
キメラ=アントの女王、メルエムの母

彼女はまた、名前を付けるという人間の風習を面白いと考え
(78話)、
生まれて来る王に、
メルエムという名前を用意していた。

母の腹を裂いて生まれて来た王は、
誕生直後に女王を見捨てて立ち去ったため、
この名前は王に伝わることはなかったが、
王自身も名前を必要としなかった。

91話より
(生まれようとする王に)
「待って! まだ、早い!」

(王、女王の腹の中から)
「黙れ!

Meruem nacimiento 91
母の腹を裂いて生まれた王

Meruem nacimiento 91-2
王の第一声「余は空腹じゃ、馳走を用意せい

Meruem 91-1
遅れてやって来て、王の前を素通りし、
重体の女王の元に走った、師団長で参謀でもあったペギーを、
王は尾の一撃で瞬殺、
食って、一言、「まずい」。

並み居る師団長、呆気に取られる。

Meruem 91-2
王、護衛軍3人に伴われて去って行く。

王の誕生は凶兆を孕んでいた。
その強引な誕生によって、女王蟻に致命傷を負わせ、
部下を殺して食うという行為によって、
邪悪な存在としての自らを印象付けたのだ。

余談であるが、

最後まで女王に愛と忠義を捧げ続けた師団長のコルトは、
人間の遺伝子を持つ蟻の第一号で、

Colt 77

生まれ落ちての第一声が、
「女王様!」であった。
「おお、おまえは言葉を!」
「女王様のご命令を、一言漏らさず聞き留め、
理解し、実行するため!」
「頼もしい!
そのほうを、一軍を率いる師団長に命ずる」
「ありがたき幸せ!」

Culto 77-2
もとは、NGL自治国の9歳になる少年クルトで、
妹とともに、初めて女王に捕食された人間だった。
彼には人間だった頃の記憶はないが、
この時に幼い妹を守れなかったことが、
キメラになってからもトラウマとして残っている。
(77話)

討伐隊の医療団の施術を受けながら、
女王はコルトに向かって、
「息子は、息子は、無事か?
どこか、身切れたところなど、なかったか?

(コルトに無事だと聞いて安心し)
「いけない、すぐに王を旅立たせなさい!
私などにかかずらわっている時間はありません。
あの子には、世界を統べる可能性があるのだから。
早くに生まれ過ぎたから、
とても心配だったのだけども、
私は、使命を全うすることが、出来た。
それだけで、十分です。
(略)

(コルトに)
「最後に、ひとつだけ、頼みがあります。
名前を、考えたの、あの子の。
王のために。
メルエム、
すべてを照らす光、
という意味です。
あの子に、伝えて。
私の、可愛い子・・・」
(息絶える)
(92話)

ここで女王が気遣うように、
王は「月足らず」で生まれたのであろう。
他の蟻たちは、すべて成人した姿て生まれているのに
(もとは9歳だったコルトでさえ、
青年の師団長として並々ならぬ能力を発揮している)、
王だけが少年の姿で生まれたのは、
「早くに生まれ過ぎたから」であろうか?

王は、上の画像では、
小柄で、ピトーより身長が低く、
ほんの子供のように描かれている。

しかし、その特異な才能と、
君主に相応しい威風によって、
年若いながらも圧倒的な存在感で
周囲を威圧していた。

頭脳は生まれつき明晰で、
学習能力も抜群。
いわば天賦の才を持った「天才少年」。
体験のすべてから、
まるでコンピュータ・メモリのように、
的確に学び、吸収して行った。

頭脳だけではなく、
絶大な力を持って生まれ、
しかもその力は、レアモノ (念能力者) のオーラを食うことによって、
際限なく増大して行く。
王の力を目の当りにした部下たちからは、
怪物、化け物などと形容された。
ネテロの渾身の攻撃すら歯が立たず、
王に何らダメージを与えることも出来なかった。
こんなに絶大の力の持ち主を、一体誰が倒せただろう?
バラの毒以外に!)

さらに、肝心なことであるが、
キメラの進化を受け継ぐ正当な王としての自覚を持ち、

彼自身の言葉から、(繰り返しになるけれど)

Meruem 126-3

Meruem 126-8
余は蟻の王として生を受け、
生命の頂点に立つことを許された。
それは種全体の本能に基づく悲願であり、
種全体が余のためだけに進化する。
我は種全体の惜しみない奉仕の末、辿り着いた賜物

(126話)

と自ら語るように、

彼は、自らに与えられた役割にアイデンティティを見出し、
自分はキメラをさらなる進化に導く王であり、
唯一無二の絶対的存在だとして、
その役割に何ら疑問を抱くことなく、
役割になりきっていた。

彼は、このような超人的存在として設定されている。


コムギ

コムギ自身の言葉を思い出してみよう。

「ワタス、本当に、軍儀の他は何も出来なくて、
要は、軍儀に生かされている訳です。
でも、プロの棋士と言っても、
国内王者でさえ、収入は雀の涙です。
国の代表とすて世界王者になって、初めて、
多額の報奨金が頂けるのです。
国の代表に選ばれるには、
トーナメント戦で優勝せねばなりません。
つまり、一度も負けることは許されないのです。
棋士の間の格言に、
「軍儀王、一度負ければただの人」
というのがありますが、
ワタスは負けたらゴミなんです。
親にずっと言われて来たことですから。
ですから、ワタスは、プロの棋士を目指した日から、
軍儀で負けたらば、自ら死ぬと決めております」

(105話)

両親から、負けたらゴミだと言われ続け、
負けたら自ら死ぬとの覚悟で試合に臨んで来た、
軍儀一筋に生きる幼い彼女の暮しが想像される。

自分の価値はただ軍儀のみにあるという自覚が、
軍儀以外のことには至って謙虚であれる。

軍儀という宝を持つ彼女には、
世の軽蔑や無理解にさらされても、
生来の、素直で天真爛漫な性格は歪まない。
彼女の価値は少しも損なわれない。

軍儀と一体になる体験によって、
その特異な人格と霊格を培って来たのだ。


2人の出会いがもたらしたもの

この絶対の王と、コムギが、
運命のいたずら (必然) によって出会い、
深く関わりながら、
当初予想 (期待) されていた運命を「狂わせて」行った。

実際には、彼らは、お互いに、
魂の次のステップに進化するために、
必要な存在 (触媒) だった。
双方が、相手の存在なしには、
到底到達出来なかったであろう境地へと
相手によって導かれて行った。

2人の出会いと、その後の経過を、
ちょっと要約してみたい。
(これまでに書いて来たことではあるけれど)

王は、自分の能力を持ってしても、
負かすことの出来ないコムギの軍儀の腕前
間髪をおかず、急所急所を攻めて来る」 (108話) と、
その確固とした態度

「ワタスが負けたらば、命を差す上げたいのです」 (105話)
欲も恐れもないと申すか・・・」(105話)

「ワタスを殺すなら、どうか、軍儀で!」 
(105話)
に、深い感銘と畏敬の念を覚えた。

対局中に覚醒したコムギに、
いち「個」として深い興味を覚えた王は、
立ち去る彼女に名前を尋ね、
名は、何と申す?
逆に、

「総帥様のお名前は、何とおっしゃられるのですか?」
と、問い返されたことによって、
生まれて初めて、名前を持たない自分を自覚し、
自分が生まれて来た意味を考える。
(108話)

王の、これまでの、確固たるアイデンティティに、
ひびが生じたのだ。
余は王だ。
だが、余は何者だ?
余は一体、何のために生まれて来た?

(109話)

余は何者だ?
名もなき王、借り物の城、
眼下に集うは、意思持たぬ人形。
これが余に与えられた天命ならば、
退屈と断ずるに、聊かの躊躇も持たぬ!

(110話)

彼は、自分自身に生じた変化が理解出来ず、
戸惑いを覚え、
苛立ちを隠せなかったが、

折しも、
討伐隊の乱入~ネテロとの決闘~「死と再生」
という一連の突発事態が介在し、
それらを体験することによって、
意識の変容を遂げて行った。

それが、記憶を失うということに象徴的に現れている。
記憶を辿る旅の中で、
本当に大切なものを見出して行く。

討伐隊の闖入は、まさにタイムリーであり、
ネテロが選んだ「ミニチュア・ローズ」でさえ、
必要な要素だったとわかる。
(人生には、無駄も偶然もない!)

コムギにとっては、
王は、初めてやさしい言葉をかけ、
「客人」として尊重してくれた存在だった。
迷惑なことなど何もない!
きさまは大事な客だ!

「だって、こんなにやさしくされたことなくて!」
コムギ、王を前にして、ただひたすら泣き続ける。
(108話)

軍儀とは、そもそも相手あっての盤上競技なので、
王という好敵手を得たことによって、
コムギの才能が開花し、進化する。

ココリコについては、前記事に書いたが、
最後の対局中に再び蘇り、
「死路」だった筈のココリコに「活路」を見出し、
それが「新手」「逆新手」「逆新手返し」と、
どんどん成長、進化して行く姿は、
まさに、コムギと王の「共作」であった。
ココリコがコムギの「我が子」であったなら、
ここでは王の子でもあった。

そもそもココリコとは、帥を孤立させる手。(104話)
孤立させた帥 (メルエム) を救い出したのが忍 (コムギ)
と見ることも出来るだろう。

もうひとつ、象徴的に思えたのが、
コムギが全盲だという設定である。
目が見えないコムギは、
形態 (外見) にとらわれることなく、
物事の本質に飛び込める能力を
自らのうちに育てていたのではないだろうか。

ココリコの復活と進化を前にして、

「ワタスみたいな者に、こんなにステキなことが、幾つも起きて、
いいんでしょうか?」

と涙するコムギに、
王は、告げなければならなかった。

余は、毒に冒され、長くない。
最後、コムギ、
おぬしと打って過ごしたかった。
だが、この毒は伝染する。
余の側に長くいれば、おぬしにも・・・


王の告白にたじろぎもせず、
迷うことなく、

「ワタス、今とっても幸せです。
不束者ですが、
お供させてください」

(135話)

と、言えるコムギはすごい。

コムギは、軍儀以外は無能だとされているが、
即座に、自分の真の望みを悟り、
的確な判断を下せるところは、
やはり天才少女だったと言えるのではないだろうか。

「ワタスはきっと、
この日のために生まれて来ますた」


そうか、余は、
この瞬間のために、生まれて来たのだ!

(135話)

何のための人生だったかを、
2人はともに、同時に、悟った。

彼は最後には、
コムギに導かれて、
自分はキメラの王だとか、
種の悲願を体現した存在だとか、
つまり、
自分はあれだとか、これだとかのアイデンティティは捨て去って、
ただ、「いま、この瞬間に在る」ことだと悟り、
(バラの毒をも受け入れて)
いち「個」として、
立ち去った。
我々すべての源、魂の故郷へと。

「自分自身 (中身) を知る必要はない、ただ自分であればいい」
(エックハルト・トール)

というのは、
こういうことなのだ。

王の、あの不吉な誕生から、
この結末を、
一体誰が想像出来たであろう?

Meruem y Komugi 112-4
ゼノのドラゴンダイブに腹を裂かれたコムギを
抱きかかえる王
(112話)


Meruem y Komugi 135 mano a mano
固く握り合った手が美しい。
(135話)

こちら側にいる私たちは、
彼らの魂に、鎮魂歌ではなく、
祝福を送りたい。


「我」という「バラの毒」

Palm 135-3
パーム、額に埋め込まれた水晶から、
王とコムギの最期を見守る。

Palm-135.jpg
イカルゴのもとにやってきて、
「終わったわ」と一言。

Palm 135-2
パーム、泣き続ける。(135話)

王とコムギの最期を、水晶を通して看取ったパームは、
討伐隊の中で、唯一、彼ら2人に理解を示した存在だった。

このパームは、人間だった頃の方がよほど奇怪で、
ぼさぼさの長髪、血走った眼で、
人間の「我」を、実に見事に体現していた。

Palm 86
普段のパーム (86話)

Palm 93-2
激怒したパーム (93話)

Palm 93-3
その気になれば、こんなにきれいになれる。(93話)

Palm 106
好色のビゼフ長官の目に留まり、
シンカー・ベルという偽名で
宮殿内部に潜入したパーム(106話)
パームはどんな顔にもなり得る!
(私たちと同じ!)


「いま、この瞬間」が135話のテーマなら、
人間の「我」の問題も、
「キメラ=アント編」の全編を貫く、
もうひとつのテーマであろう。

パームは、この「我」を
わかりやすく私たちに示してくれる、
実に魅力的な女性だ。
彼女は私たち一人ひとりの中に存在している。

もうひとつ、印象的だったのは、
護衛軍3人のうちのひとり、ユピーの在り方だ。

Yupi 128
ユピー、antes/ befour
   ↓
Yupi 128-2
ユピー、después/ after
巨体のほとんどを王に捧げてしまって、
すっかり縮んでしまった姿。

ユピーとウェルフィンとの会話から。
「ユピー殿、お聞きしたいことが」
「何だ?」
「前世の記憶はありますか?
キメラになる前の」
「ねえよ、そんなもん。
俺はユピーだ、護衛軍のな。
前も後もねえ。
くだらねえこと、聞くんじゃねえよ!」
(133話)

この直後、ユピーはバラの毒で吐血し、
急死した。

Puf y Yupi 133

Puf y Yupi 133-2
ユピーの亡骸の前に、呆然と立ち尽くすプフ

護衛軍3人のうち、
ユピーだけは人間との「混血」(摂食交配) によらず、
人間の遺伝子を受け継いでいない、
という設定になっている。
従って、彼は、
人間の病である強い「我」の影響がない。

討伐隊のナックルが、
敵の中で唯一心を通い合わせることが出来たのは、
人間の遺伝子を持つプフではなく、
魔獣の流れを汲むユピーだったという事実は意味深い。

ピトーもユピーも、
避けえない死の前に、
体験から学び、成長していた。

Pito 112
王に、「コムギを治せ、頼んだぞ」と言われ、
生まれて初めて涙するピトー。
(112話)

プフはどうだっただろう?
自分の幻にしがみつき、
圧倒的な事実を受け入れられず、
夢破れ、打ちのめされて、
絶望のうちに死んだ。

人間を忌み嫌ったプフが、
3人の中で一番、人間の「我」に毒されていたと
言えないだろうか。

Puf 134
プフ、王が立ち去った後で、嗚咽のうちに吐血する。
死の直前。
(134話)

Puf 135
プフの最期。
その表情から、平和な最期を迎えられなかったことが伺える。
(135話)

これも、余談になるが、
キメラとしてのアイデンティティを失ったウェルフィンは、

Welfin 134-2
ストレスにさらされて老け込む直前のウェルフィン (134話)

王に、
可能なら、人として生きるがよい
と言われて、号泣したが (134話)、

彼は、人間だった頃は、NGL を陰で操る麻薬と武器の密輸団のメンバーで、
彼が「俺の王はジャイロただ一人!」と慕うジャイロの元で働いていた。

Zaicajal 79-2
右は、キメラと交戦するウェルフィン (人間だった頃の名前はザイカハル)、
左はイカルゴか? (声から推察するに)

Zaicajal 79
ザイカハル (79話)

私たち人間は
(実に迷惑な話だが)、
生まれつき、「我」という毒に冒されている。
時に肥大し、暴走する「我」は、
バラの毒と同様、この毒を周囲に撒き散らし、
自分と周囲の人々を不幸にし、
地球の環境を汚染している。
人間の強い「我」は、
私たち人類が持って生まれた宿命であり、
(背負って生まれた「十字架」とも言えよう)
私たち1人ひとりが、超えて行かなければならない課題なのだ。

この「我」は、
自分の外にアイデンティティを求めて、
本来自分ではないあれやこれやに
「自分」という意識をかぶせ、
自分やものに、過去や未来といった「時間」をかぶせ、
私たちの目から、「いま、この瞬間」を覆ってしまう。

だからこそ、
過去も未来もない、
前世も来世もない、
ただ、「いま」があるだけ、
というユピーの在り方が新鮮に見えて来る。

私たちには、
多かれ少なかれ、誰にでも、
いつまでも囚われている過去の体験 (トラウマ) の
ひとつやふたつは、ありはしないか?
何十年も生きていれば、
後悔も、自分や誰かを許せない気持も
あるかもしれない。

それが、折に触れて記憶に戻って来ては、
私たちに当時を再現して見せ、
いつまでも私たちを苦しめる。

自分の中に住み続ける過去をどうするか?

自分の内に畳み込まれた過去や過去生を発掘し、
探索し、
一つひとつを癒して行くことに意味はあるか?

無数の過去や過去生を持つ私たちにとっては、
トラウマのひとつやふたつを意識に乗せて癒してみたところで、
大海の一滴に過ぎない。
大海全部を浄化するなど、到底不可能な試みなのだ。

それよりも、
自分に必要なことはすべて、
今、現在の自分に起こっているのだと心得て、
今というまさにこの時に、自分にやって来たすべてを受け入れ、
今だけに集中して、それを生きる、
それが因果の刈り取りとなり、
自分を浄化するのだと知ろう。

過去や未来は存在しない。
存在するのは、「いま、この瞬間」だけなのだ。
それを知ることにこそ、救いがある。

過去も過去生も用はない!
私は、今、現在だけでいられるのだ!
何と気が楽だろう!

以上が、
私がこの物語に見たメッセージだ。
(たぶん私は、私が見たいものを見たのであろう)


最後に、
声優さんたちの力量は言わずもがなであるが、
絶妙なタイミングで、その場その場に適合した美しい音楽が
伴奏されるのも、
すばらしい。

(イケメンのプフがバイオリンを奏でるというのも、
いかにもで、面白い)

Pito y Puf 88
プフの演奏に耳を傾けるピトー、88話





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  1. 2016/06/02(木) 23:02:38|
  2. アニメ
  3. | トラックバック:0

究極の名人戦  ココリコの復活と成長、そして進化

ようやく、ここに辿り着けた!

画像もたくさんご紹介したい。


135話

王は、コムギが捕らえられている地下にやって来て、
円のオーラを光子に変え、周囲を照らした。

そして、
パームが隠れているビゼフ邸の一室を訪れ、
衣装戸棚の中で蹲っているパームに、
扉ごしに語りかけた。

コムギの明け渡しに条件があるなら、
聞こう。
ここには1名しかおらぬようだが、
あえて、おぬしたちと言っておく。


パーム
「完全に把握されている。
小細工は無駄!」

おぬしたちの念に触れて、強く感じたのは、
憤怒、恐怖、憎悪ではなく、
使命感、覚悟の類であった。
人類の存亡を背負っての戦いなら、
もう終った。

咀嚼が必要か?
耳を疑っているようだな。
ならば、何度でも言おう。
おぬしたちの勝利だ。
戦いは終った。

ここからは、おぬし1人に語りかける。
ここへ余が来た理由は複雑ではない。
ただひとつ、
コムギという人間に会いたい。
それだけだ。
本当に、ただそれだけだ。
他には何も望まない。
おぬしの念に触れて、
余の現状と、この先も理解した。
それを知ったうえで、なお、
今、余が望むのは、
残された時間を、コムギと過ごしたい。
それだけだ。


パーム、扉を開けて出て来る。
「今のは、私の性格に触れたうえでの作戦かしら?
(いいえ、わかってる、ありえない)
信じられると思う?
素直に、ああそうなのと、言えると?
(絶対の王が、ちっぽけな私を偽るために、
自分自身を偽るなんて)
あれだけの虐殺を、
そしてこれからも、
そんな生き物の
(敗北宣言も、人への思いも)

無理!
絶対に無理よ!
(真実だからこそ!)

ほんの少し、だったと思う。
どこかで、ほんの少し、
何かがほんの少し違っただけで、
今の余なら、神とまでは言わぬが、
この世を、
いや、
すべてが一致しての現在だからこそ、
そう思うだけなのかもしれぬ。
余に時間がないのは承知であろう。
自力で探すより、おぬしから聞きたいのだ。


パーム
「何言ってるの?
(やめて!)
そうよ、私は彼女の居場所を知ってる。
拷問でも何でも自由にしたら?
(わかってるの!)

それが不可能なのは、
お互い十分わかっている筈。
おぬしのオーラは、
今まで見た中で最も強く美しい。


パーム
(やめてよ!)

余に出来るのは、
ひたすら頼むことだけだ。

王、跪いて、パームに頭を下げる。

パーム、泣き出す。
「だめー!
私も、もう一部は蟻。
あなたが種にとってどれ程の存在か、
嫌だけど、わかっている。
(そこまで、それ程まで・・・
それだけは、だめ!)

パーム、泣き続けながら、
「言うわ。
だけど、ひとつ条件がある。
私の能力で、
あなたを、あなたたちを
見届けていい?」

王、立ち上がって、
それでコムギと会えるなら、
是非もないこと。



同じ頃、プフは、
王と別れたその同じ場所で、
バラの毒によって息絶えていた。
強風が彼の羽を引きちぎる。


王、地下倉庫の奥で、コムギに再会。

Komugi135.jpg
「4-7-1 帥」コムギの寝言

Meruem 135
いかにもコムギらしい寝言を聞いた王は、
ようやく会えたという思いを噛みしめ、
起きろ! コムギ!
打つぞ!



王とコムギの究極の名人戦
―― コムギは、自分が殺した「我が子」ココリコを復活させ、
その子が、2人の手によって成長、進化して行く!


コムギ、鼻歌を歌い、頬を赤らめ、
終始笑顔で、嬉しそう。


いやあ、ものすごく久すぶりな気がするす。
夢で打つのと、やっぱり本物は違いますにゃあ。


うむ。

Komugi 135-8
突然お腹がすごい勢いで蹴られた感じがすて、
その後気付いたら変な人にさらわれて、
ほんでも、総帥様が助けて下さったのですね。


コムギの、王への手放しの信頼感。

余ではない。
余の配下だ。


うわーっ、でしたか!
ワタスったら、早とちりをば!


Pito, Yupy y Pufu 135
ピトー、ユピー、プフへの哀惜を込めて
余には過ぎた者たちだ。


んだらば、いらっしゃいますたら、お礼をば。

余から伝えておこう。
じきに会う。


コムギ、そわそわする。

わかっておる。
始めるぞ。


はい!

以前、余の名前を聞いたな。

は、はい。

Meruem 135
誇らしげに、
余の名はメルエムだ。


メル、エム、さま・・・
ワ、ワ、ワタスの名前はコムギです。
どうぞよろすくお願い致すます!

と、ひれ伏す。

知っておる。
(いや、そうだな。
知らなかった。
余は何が大事なものかを、
何も知らなかったようだ)


メルエム様・・・

様はいらぬ。
2度言わすな!
様はいらぬ!


いや、いや、滅相もございません!
総帥様を呼び捨てになど、絶対に出来ません!


ならば、軍儀で余が勝ったら、
おぬしは余を様抜きで呼べ。


わ、わかりますた・・・
えっと、呼び捨ての後で死んだらいいですか?


ああ、そうだったな。
死ぬ必要はない。


Meruem 135-2
以前の余とは一味違うぞ。
幾多の敗北を覚悟しておけ。


はい。

Komugi 135-9
おぬしが勝ったら、何が欲しい?

Meruem y Komugi 135-3
もう一局、お願い致すます。

愚問か。
では、行くぞ。


Komugi 135
コムギ、目を開く。

1-5-1 帥


9-9-1 帥

7-9-1 兵

2-3-1 兵

2-7-2 筒

7-1-2 砦

(まさか!
これは、ココリコ!)
コムギ、余を愚弄するか!


いいえ。

心して応えよ!
戯言には、付き合わぬぞ!


はい。
ワタス、軍儀でふざけたことないです。


わかった。
きさま、負けたら、やはり死ね!


はい。

(死路ではないと申すか?
余の検討でも、幾つか道はあった。
だがそれはすべて徒に手を増やすだけで、
勝ち目の薄い禁止路ばかり)
活路があると申すなら、
9-2-1 中将新 (あらた) !
この先、見せてみよ!

Komugi 135-2
4-6-2 忍
これを、死路に忍 (コムギ) 、と読むそうだ。

こ、これは! 確かに、
路が生きた!

コムギが殺した「我が子」ココリコがここに蘇った!


あの夜、気付いてすまったんです。

黙れ!
考えさせろ!


Meruem y Komugi 135---
メルエムが手を考える姿を「見る」
コムギの嬉しそうな顔

ここだ! ここしかない!
詰め切れぬ筈。
相手が無理に寄せれば、
手を重ねる程、こちらが有利!
かと言って、早めに攻撃を緩め、
攻め手をこちらに譲れば、
騎馬と中将の中押しを防ぐ手はあるまい。

2-6-1 騎馬!
逆新手 (あらて) だ。
いかに!


komugi y meruem3
コムギ、涙

どうした?
なぜ泣く?


Komugi 135-3
ワタス、ワタスが、こんなに、幸せでいいのでしょうか?
ワタスに、ワタスみたいな者に、
こんなにステキなことが、幾つも起きて、
いいんでしょうか?


やはり、言わねばならぬな。
余は、毒に冒され、長くない。


Komugi 135-4
メルエム様・・・

最後、コムギ、
おぬしと打って過ごしたかった。

Komugi 135-5
だが、この毒は伝染する。
余の側に長くいれば、おぬしにも・・・

Meruem y Komugi--
逆新手返し (ぎゃくあらてがえし)!

Komugi 135-7
2人の手によって、復活したココリコが、どんどん成長し、
さらに進化して行っている!

Komugi 135-6
メルエム様、
ワタス、今とっても幸せです。
不束者ですが、
お供させてください。


死出の旅、というより、
婚礼での花嫁の誓いに聞こえないだろうか。

そうか、余は・・・

ワタスは、きっと、
この日のために生まれて来ますた。


komugi y meruem6
この瞬間のために、生まれて来たのだ!

Sui y Espia 135
帥 (メルエム) と忍 (コムギ) の駒が舞う

ここで、メルエムとコムギの出会いから、
今この瞬間に至るまでの
すべてがフラッシュバックする。

メルエムの意識が遠のくにつれて、
彼が放った円の光子も微弱となり、
暗闇が広がって行く。

しかし、全盲のコムギには同じことだった。

4-4-1 兵

6-5-1 騎馬

2-7-2 忍新

コムギ、いるか?

はいな、いますとも!
どこにも、行きません!


4-5-1 中将

詰みだな。

コムギ、いるか?


はい、はい、いますとも!
さあ、もう一局!
負けた方からですよ。


コムギ。

はい、はい、何ですか?

結局、余は、おまえに一度も勝てなかったな。

何をおっしゃいますやら!
勝負はこれからですよ!


そうだな。
1-5-1 帥


9-5-1 帥

コムギ、いるか?

はいな、勿論!
メルエム様の番ですよ。


少しだけ、疲れた。
ほんの少し、眠るから、
このまま、手を、握っていてくれるか?
コムギ、コムギ、いるか?


聞いてますとも!
わかりますた、こうですね。


すぐ、起きるから、
それまで、側にいてくれるか?


離れたことありませんよ。
ずっと、一緒です!


コムギ。

はい、はい、何ですか?

ありがとう。

こちらこそ。

最後に。

はい?

名前を呼んでくれないか?

Meruem y Komugi 135 mano a mano
固く握り合った手

Meruemu.jpg
お休みなさい、メルエム

Meruemu2.jpg
すでに息絶えたであろうメルエムに向かって、
ワタスもすぐ、行きますから・・・




  1. 2016/05/28(土) 02:07:01|
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「コムギ」が蟻の王にもたらしたもの

この部分もまた、
物語の展開上、パスする訳にはいかない。
しかも、それぞれの心理のせめぎ合いが
巧みに描写されている部分なので、
やはり、メモしておきたい。


133話

討伐隊の残党イカルゴ (タコ型キメラ) は、
師団長のウェルフィン (オオカミ型キメラ) に、
人質交換をしたいという王への伝言を託した。

イカルゴは、猜疑心の強いウェルフィンが、
伝令の役目を果たすための策として、
ウェルフィンが人間だった頃の名前で彼を呼び、
彼ら2人がNGLの仲間だったことと、
当時の首領で、ウェルフィンが慕うジャイロに会える可能性を示唆した。
同時に、キメラは前世で彼らNGLの敵だったという考えを、
ウェルフィンの頭に植え付けた。
ウェルフィンは抵抗しつつも、イカルゴの策にはまる。

途中、ユピーに行方を遮られたウェルフィンは、
(自らもキメラでありながら)
キメラへの敵意に燃えて、
虫けら並みに小さくなってしまったユピーに発砲したが、
ユピーはウェルフィンの銃撃を受けるまでもなく、
その直前に、バラの毒で急死した。

「選別」のために広場に集合した人民の上に、
催眠効果のある鱗粉を散布し終えたプフの目に映ったのは、
ユピーが倒れている姿だった。
プフ、ユピーの亡骸を前に、
しばし呆然と立ち尽くす。

一方、王は、
部屋の隅に軍儀の駒のかけら (帥) を見付け、

そうだ、
余は、誰かと戦っていた。
そして、余は、
まだ、勝っていない、その者に。
一度も!


プフ、王にユピーの不慮の死を伝える。

ならば、ようやく余も始動出来る訳だな。

プフ
「いえ、状況が変わりました!
ここは危険です。
勝負は・・・

やめると申すか。
ならば、余の勝利。
洗いざらい話してもらうぞ。
それでいいのか?



パームは、王が遠からず、バラの毒で死ぬことを知り、
王が死ぬまでコムギを隠し通す意図で、
イカルゴと2人で、眠るコムギを木箱に詰め、
地下倉庫の奥深くに隠す。

パーム
「わかってる。
私たちは残酷よ。
彼らと、何ひとつ変わらない。
いえ、それ以上に!」

プフ、ユピーを失い、
血眼になってピトーを探す。
そして、・・・プフも吐血。



134話

「蟻と、何ひとつ変わらない。
いや、それ以上に!
「バラには毒があった。
開花の瞬間、大量に撒き散らされるバラの毒が、
類似する他のものより優れていたのは、
開花地との距離によって、
運悪く爆死を免れた者の体内に、効率よく取り込まれ、
迅速に、内部を破壊すると同時に、
被毒者の肉体が、毒そのものとなり、
新たな毒を放出しながら、やがて死に至る、
その毒の量と、死ぬまでの時間が実に絶妙で、
大量の連鎖被毒者を生み出せる点にあった。
要するに、
この上なく非人道的な、悪魔兵器だったのである」
(ナレーションから)

老練なネテロは、
蟻を根絶やしにするという明確な目的を持って、
蟻の王との一騎打ちに臨んだのだった。
そのために使った奥の手が、
この「ミニチュア・ローズ」だった。
それと知らず、王は、ネテロとの戦闘を拒み、
蟻と人間との共存の道を示したが
(それが人類に受け入れ難いものであったとはいえ)、
ネテロが体内に埋め込んだバラを炸裂させた瞬間、
気付いた、
ネテロが自分を、初めから詰んでいたということに。
バラによって!

100歳を超える老獪なネテロと、
「生まれたての餓鬼が!」とネテロが唾棄した通り、
生まれたての少年王との間には、
戦略において、
超えることの出来ない深淵があったのだ。


王、ユピーを殺害した新たな賊を探すために、
再度円を発した。

(見える。
すべて。
一度目の円の時との違い、
前にはなかった足跡が、
乗り捨てられた車が、
ユピーのむくろが、
閉まっていた扉が、
新たに余の円に反応した者の)


その者、ウェルフィンの前に、
王は忽然と現れた。


以下、王とウェルフィンの会話より

ユピーをしとめたのはきさまか?

ウェルフィン、恐怖に慄きながら
「と、とんでもございません!
なぜ、師団長の私めが、
ユピー殿を殺める道理など、ございましょうか?
ユピー殿は、私めと話をしている最中に、
突然吐血し、苦しみ出し、果てたのでございます!
誓って、嘘ではございません!

(これは嘘じゃねえ!
俺は確かにユピーを撃った。
だが、やつは、俺の質問に応える前に、
苦しみ出し、くたばった!)

「恐らく、私めと会う前に、
既に何らかの敵の攻撃を受けていたのでございます。
よって、私めは、
賊が群衆に紛れていないかを調べるため、
ここに来た次第であります」

プフがやって来て、介入しようとする。

王、プフに
言いたいことはわかっておる。
円で触れた者の感情を読み取れるようになった。
こやつの余へ向けられたただならぬ敵意もな。
一度余の円に曝された者の心は、
目を凝らすだけでよく見えるわ。


プフ、
「何と!
ユピーの翼や砲撃のみならず、
私のスピリチュアルメッセージも、
より高い次元の能力として、
見事に昇華されている!
王!
王は無敵!
王は無二!」

Meruem 134-1
プフ、王の新たな能力を前にして、
理想の王の姿を見る

今は、やや恐怖が勝っておるが、
波のように寄せる余への強い敵意は、
隠しようもない。


ウェルフィンに向かって
きさまの余への憎悪、
その根源に少々興味がある。
申してみよ、偽りは許さぬ。


ウェルフィン、震え上がる。

ありのままを!

プフ、ウェルフィンから秘密が漏れるのを恐れて、
即座に介入、王を遮る。
「メルエム様!
手順違いにございます。
その者は、私の秘密に深く関わる者、
しかしそれを自覚せぬ者。
このまま問答を続ければ、
図らずも、その者の口から、
私の秘め事の一部、もしくは、すべてが、
漏れることも十分ありまする。
勝敗を決する前に、戦利品の中身を知るのは、
王の本意と真逆でございましょう。
私との勝負、継続をお望みならば、
その者の質疑、何卒後回しにされますように!」

ウェルフィン、心の中で
(こいつは、一体、何言ってやがる?
秘密? 何のことだ?
いや、それよりもこの場をどうする?
どうすれば逃げ切れる!
この怪物から!
畜生! まさか、こんなばかげた化け物だとは!
さっさと逃げりゃあよかったんだ。
目の前で、あんなに強大だったユピーが、
ちっぽけな虫クズみてえにあっさりくたばりやがるから、
何か、俺でも王をやれるんじゃねえか、みてえに、
錯覚しちまった!
酔っちまったんだ!
いろいろいっぺんに起きて、
ジャイロのこと思い出して、
パニクって、センチになって、
ヒロイズムに酔っちまったんだ!
畜生! あのタコのせいだ!
あいつが俺のペースを狂わせやがった!
感情を狂わせやがった!
何とかしねえと、俺の敵意もばれてる。
嘘は通用しねえ。
何が残ってる? 俺の手駒に。
メッセージ!
プフの秘密!
俺の感情の根源!
これを総動員して、俺は一体助かるのか?
何を言えば?
最初の、
初めの一言が勝負だ!
生死を分かつ、一世一代の、一言!
間違えたらその瞬間、全部終わるかもしれねえ!)

ウェルフィン、王のプフに向けたオーラに打ちのめされて
(この圧迫感!
異様な緊張感!)

王、プフに向けて
プフ、その秘密、
そやつが余に向ける憎悪と、
わずかでも、関わりがあると申すか?

余を遮り、言葉尻を捉えた挙句、
指図まがいの進言。
余程の覚悟のうえであろう。
心して応えよ!


プフ、死を覚悟のうえで
「何も、申し上げる訳には参りません。
勝負の途中ゆえ」

王は、プフの決意の程を見て、怒りを収め、
恐怖に圧倒されて立ちすくむウェルフィンに
矛先を向ける。

Meruem 134-2
王、ウェルフィンを横目で見て
腹が減ったな!

Meruem 134-3

Welfin 134
ウェルフィン、縮み上がる。

(俺は食われて死ぬ!
死ぬ!
生きたい!)

極度の緊張と恐怖で、
ウェルフィンは一瞬にして
100年も老け込んだ。

(一言!
最初の!
最後の!
メッセージ!
あの時、プフがピトーと!
一言!
プフの秘密!
一言!)


「その間 (彼の) 脳裏では、
過去の一切が高速で、雑然と流れ、
その直後、弾け散り、
現在と混ざり合った。
生への執着と、
不可避の、死との境界で。
かつてなく目まぐるしく働いた脳細胞が導き出したのは、
通常であれば、選択しえないものだった」
(ナレーションから)

そして、バックにはキリエ=エレイソン!

ウェルフィンが脳細胞を最稼働して絞り出した一言、
「コ ム ギ・・・

Komugi 134

その瞬間、王は楽園の幻を見た。

Meruem 134-4

gungi1.jpg

gungi2.jpg

Meruem 134-6

Meruem 134-7
ウェルフィンの「コムギ」の一言が王に及ぼしたもの

Puf 134
王と幻を共有したプフは、
「こ、これ程とは・・・
これ程までに、彼女を!」
泣き崩れる。


プフ、それがその方の (秘密か)。

プフ、抜け殻と化して
「はい。
何なりと、処罰を」

言わずとも伝わっておろう。
我々は異体同心。
咎などない。


ウェルフィンに
ウェルフィン、
コムギは地下格納庫のどこかに、
女とタコとともにいる。
おぬしはそれを余か護衛軍に知らせる役目。


ウェルフィン
「な、なぜ、それを!」

おぬしが役目を引き受けた理由の鍵は、
タコにありそうだ。
役目を全うしなかった理由は、また別。
それは余への憎悪の根源に起因するか。

図星か。

安心せい。
応えた後は、どこへ行こうとおぬしの自由だ。
礼を言う。
おぬしのおかげで、大切なものを思い出せた。



ウェルフィン、立ち去る王の後ろ姿に向かって
「俺の王はジャイロただひとり!
きさまは、きさまらは、敵だー!
俺たちの!」

王、振り向くことなく、ウェルフィンに
さようか、
会えるといいな、その者と。
そして、可能なら、
人として生きるがよい。


王、涙に掻き暮れる2人を残して、
悠然と立ち去る。

プフ、
ユピーとピトーを失い、
そして今、種の悲願、
全生物の頂点に君臨する筈だった理想の王が、
彼の元から、永久に失われたことを悟った。
彼は、立ち去る王とともに、
自らの生きる目的が失われて行くのを感じ、
嗚咽のうちに、
激しく吐血する。




  1. 2016/05/25(水) 01:59:49|
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「死と再生」の彼方へ

前回の続きから。
画像もたくさんご紹介したい。


127話

プフとユピーが現場に到着。

「高熱によって岩が赤黒く溶け、
さながら、活火山の火口のごとき爆心地は、
凶悪な黒煙を生み続け、生ける者の侵入を拒んだ」
(ナレーションから)

2人はその有様を見て、驚愕におののいた。
プフ、言葉を失い、呆然自失。
ユピーは即座に立ち直り、
爆心地に踏み込んで、
王を発見!
そして、ユピーの咆哮。
それを聞いたプフも絶叫。

爆心地から戻ったユピーの両腕には、
四肢を失い、黒こげになった王の亡骸が
抱きかかえられていた・・・
幾筋もの止めどない涙が、
滝のように、2人の頬を伝う。


一方、コムギは、
ピトーのドクター・ブライスの手術が無事に終了し、
正気に戻って、起き上がるが、
怒りに我を忘れたゴン (お粗末な主人公) に、
「次ごたごた言ったら、そいつ (コムギを指し) を殺す!」
などという暴言を浴びせられ、


Komugi 127
す、すいません!
ワタス、邪魔ですか?
あ、あの、ちょっとよく状況がわかんなくて・・・


同胞である人間に、
「そいつ」呼ばわりされ、
誰からも言葉ひとつかけてもらえないコムギは、


総帥様は、一体どこ?
この人たちは、何?


と、ただひたすら、
彼女にとっては、
突然のようにいなくなってしまった
蟻の王の所在を問うほか、
術はない。

彼女は後に、同胞の人間たちによって、
王を倒すための人質に利用されることになる。

まさに、
人も蟻も何が変わるだろうか?



128話

王の亡骸を目の当たりにして、
プフとユピーの慟哭がこだまする。
と、微かに開いた王の目で、
まだ王に息があることを知り、
2人に希望の光が射す。

プフは、即座に、
細かく分散して周囲を飛来している自身の分身たちに、
王に食われて癒すようにと命じる。

MERUEM 128-1
プフの細胞を食って回復しつつある王

えも言えぬ美味。
楽園の空気を吸うが如く、
力が満ちて来るのがわかる。
この味を知ってしまっては、
もう他のものは、
食えぬ、ではないか。


との王の言葉に、プフは、
歓喜のあまり、文字通り、昇天! ←これは笑える!

Meruem 128-3
それを見たユピーも、
自分の体細胞を液体に変えて王に飲ます。

何と、力強く、濃厚な!
天界から降り落ちたとしか、思えん。
まさに、天使の滴。


これを聞いたユピーも昇天! ←これも笑えるー!

優劣付けること適わぬゆえ、
ともに極上の一品と断ずるに、
迷いの余地はない。
足りぬ。
もっとだ。
両方とも、
ありったけ、
持って参れ!


2人は、歓喜に浸りながら、
王に我が身を与え続けた。

そして、王とともに、
「死と再生」を共有することになった。

Meruem 128-5

Meruem 128

これからは、余を、メルエムと呼ぶがいい。
それこそ、母より賜りし、余の名前。


Meruem 128-4
そうか、これこそが、無償の、愛!

「絶対的存在の、死と再生に際し、
さらに、自身を王と共有することによって、
プフとユピーが到達したのは、
種の頂点、女王の域!」
(ナレーションから)

そして、王は復活した。
失った四肢もよみがえり、
以前より、さらに力を増して。

一方、ユピーは王に自分の体細胞を与えることで、
巨大な体躯がハエ並みの大きさにまで縮んだ。
同様に、プフも、外殻は保てても、
自身の6//7を失った。

まばゆい光の中で、
何者かが余の名前を呼んだ。
メルエム、と。
それが夢か現実か、
判然とせぬ。

なぜ、余がここにいるのか、
思い出せぬ。

気分は悪くない。
いや、むしろ、全身に力が漲っている。
頭だけが霞がかっている。


(虫のように縮んで飛んでいるプフとユピーの姿に気付いて)
おぬしたち、そのなりはどうした?

(略)

余は、食ったのだな、
おぬしたちを!


記憶を失った王は、
2人からこれまでの経緯を聞き、
記憶回復と目的遂行のために宮殿に戻る。

プフは、生物統一という種の大目的の前に、
コムギの存在は邪魔だと考え、
王の記憶が戻る前に、コムギを殺害しようと画策する。

王に (ユピーが持っていたような) 立派な羽が生じ、
2人を乗せて宮殿に急ぐ。


129話

プフ、ユピー、お互いに不便な身体になったな。
我らは肉体も心もつながってしまった。
3名の間で、もはや隠し事はかなわぬぞ。

(プフとユピー、感涙)

Meruem 129
二人を乗せて宮殿に急ぐ王

(ユピーの、人間を殺さずに助けたという告白に対して)
構わぬ。
不問だ。
これは、むしろ、我々キメラが進化する過程において、
乗り越えねばならぬ試練と見た。
ユピー、おぬしの精神的揺らぎも、
裏切り者の心変わりも、
受け入れたうえで、次へ進む。
人は、我々が更なる次元に上るための生贄、
最高の、な。
究極進化の糧と心得れば、
我らに残る人の我の残滓など、
些末な不確定要素に過ぎぬ。


(王、宮殿に到着し、
宮殿前に集う人民の群れを見て)
何かが、違う。
余は、まだ、他に、
これではない何かを。


132話


王がコムギと軍議を打っていた
西塔、2階の部屋にやって来る。
盤や駒はプフの分身によって処分されていて、
何も残っていない。

何かが、足りぬ。
だが、それが何かが、わからぬ。


(略)

そうだ、余は、ピトーに何か、頼んだ。

(残党狩りに行くと言う王を、
危険だと遮ったプフに対し)
心して、答えよ、プフ。
余が、万が一に賊に後れを取るおそれがある、
と申すか!


プフに対して放たれた
王の怒りのオーラが周囲を圧倒し、
プフとユピーを感嘆させ、
潜伏していた討伐隊の残党4人を絶望に陥れた。

続いて放った円で、王はすべてを察知する。

Meruem 132-2

Meruem 132-3

Meruem 132-1

王の凄まじいオーラに圧倒されて逃亡途中の2人
(ナックルとメレオロン)を、
王は瞬時に捕獲して部屋に戻った。

(略)

プフ、王からコムギの存在を隠し通すために、
余興と称して、王に勝負を持ちかける。
プフとユピーはピトーを、
王は残党の残り2人を、
どちらが早く見付けるか、というものだった。

(略)

折角の遊びだ。
余からも提案がある。
その方らが勝てば、それぞれの望み、
ひとつ叶えよう。

余が勝った場合、
おぬしたちが余に隠していること、
話してもらう。

言った筈だ。
おぬしたちと余は、すでに異体同心。
おぬしたちが強く発する後ろ暗い感情に、
余が感付かぬと思ったか?
だが、同時により強く発する余への忠心。
それがなければ、疾うに首を刎ねておるわ。

(2人、涙)

何か事情があるのだろう。
あえて聞かぬ。
余が負ければだがな。
望むものを手に入れ、秘め事は守り通せる。
これ以上の条件はあるまい。
余に勝てれば、だがな。

(略)

先にこの部屋に標的を連れて来た方の勝利。

プフ、これが最後のチャンス、絶対に勝たねば!
と覚悟を決める。

残党の残りの2人、パームとイカルゴは、
地下倉庫に逃げ、
眠らせたコムギをビゼフの隠れ家に隠す。



  1. 2016/05/22(日) 01:52:25|
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メルエム、それがおぬしの名だ

この部分はパスして、一気に135話に飛んで、
終りにしたかったが、
キメラ=アントの王の発言 (世界観) に
非常に興味深いものがあるので、
メモしておきたい。

画像もきれいなので、幾つかご紹介したい。
(画像は、画面をクリックすると大きくなります)


122話

王は、侵入して来た賊に、戦いの場所を変える提案をし、
ゼノのドラゴンヘッドに連れられて、
戦争兵器の実験場まで運ばれた。

以下、王とネテロの会話から:

なぜ、戦う?
そのほうに勝ち目はない。
死に急ぐことはあるまい。


「わしのことを何も知らんだろうが、
見た目で判断すると、足元すくわれるぞ。

逆だ。
戦局が読めぬほど、凡庸な差し手には見えぬ。
余は、この世を統べるために生を受け、
当初、おぬしらに、家畜以上の感情を持ちえなかったが、
今は違う。
わずかながら、生かすに足る人間がいることを知った。
あの娘がそうだ。
おぬしにも、同じものを感じる。
今、鉾を収めるなら、許してやらんでもない。


「それは、わしだけを、って話だろ。
そいつは立場上、聞けねえ相談だわなあ。

負けを覚悟の戦いか?
理解出来ぬな。
人類という種のためか?
ならば、余の行為はむしろ協力だと言っておく。
例えばおまえたちの社会には、国境という
縄張りに似た仕切りがあろう。
境の右では子供が飢えて死に、
左では、クズが、すべてを持っている。
狂気の沙汰だ。
余が壊してやる。
そして与えよう。
平等とは言えぬまでも、
理不尽な差のない世界を。

初めのうちは、
力と恐怖を利用することを否定しない。
だがあくまでそれは、秩序維持のためと限定する。

余は、何のために力を使うかを学習した。
弱く、しかし生かすべき者を守るためだ。
敗者を虐げるためでは決してない。
きさまとは戦わぬ。
場所の移動に異を挟まなかったのは、
忌憚なく論を交わすために過ぎぬ。


ネテロの回想から:
(国際機関から、ハンター協会が
キメラ=アントの抹殺を依頼されたときのこと)
「頼んだよ、我々が望むのはただひとつ。
危険生物の速やかな駆除、だからね。
我々は一刻も早く危険生物が根絶されることを
望んでいるんだ。

(早めにやっちまった方がいい。
心がぶれない前に)
「王よ、お互いに大変だな。

ネテロの猛攻撃「百式観音」とともに、
キリエ=エレイソンの音楽が流れる、笑。

いい技だ。
太刀筋が見えん。
気が済んだか?

そんなに、死にたいか?

悟れ、そのほうが余と交わすことが適うのは、
言葉だけだ。


「生まれたての餓鬼が!
それが出来れば苦労はしねえ!
待てよ、言葉、か。
王よ、自分の名を知りたくないか?

なぜきさまが余の名前を知っている?

「部下が、おぬしの母親の臨終に立ち会ったのよ。
いまわの言葉がおぬしの名だったそうだ。
その部下も、護衛軍との戦闘で死んでしまったかもなあ。
やる気になったかね?
わしに負けを認めさすことが出来れば、
教えてやらんでもないぞ。

殺さず、気の済むまで、か。
飛車角落ち、と言ったところだな。
まあ、すぐに詰んでやろう。



126話

王は、ネテロの猛攻撃を受けながらも、
敵への惜しみなき称賛の念に支配されていた。

Hunter x Hunter 122

Hunter x Hunter 122-2

そのほう、己を高めんがため、捧げ続けた長き時、
その成果、しかと受け取った。


いち個が、修練の末、届きうる限界、
それを卓越した稀有な事例と言えよう。
天晴だ!
褒めてつかわす。


「虫が!
上からもの言ってんじゃねえぞ!

(略)

ネテロ、右足を失う。

止血しろ。
そして、余の名前を言え。
きさまはよくやった! 
人間としてはな。

(略)
コムギとの対局が、予知のごとき先見を可能にした。
きさまが無意識に嫌う型、その存在が、
本来無限である筈の選択にしるべを示すのだ。
次は左腕を貰う。


「これが生涯最後!」
ネテロ、左腕を失う。

これで気が済んだであろう。
さあ、述べよ、余の名前を。


(略)

まさに、個の極致。
すばらしい一撃であった。
余は蟻の王として生を受け、
生命の頂点に立つことを許された。
それは種全体の本能に基づく悲願であり、
種全体が余のためだけに進化する。
我は種全体の惜しみない奉仕の末、
辿り着いた賜物。
おぬしは人間のいち個であって、王でなく、
余は種のすべてを託された王であること、
それが勝敗を分かつ境。
長い進化の突端が、すべて余に集約されるよう機能した
キメラの生態に、
多様な個のありようを許した人間が、
敵う道理などないのだ。
だが、繁殖に人類を利することはなくなった。
人間の強い我が、蟻の統率を著しく乱すことがわかったゆえ、
きさまに免じ、特区を設け、人類の永住を許可しよう。
食用にする人間も、選定の際に、数や質を考慮する。
きさまの孤独な戦いは、無駄ではなかったのだ。
もう決して二度と言うことはないぞ。
余の名を言え。


「ふっふっふ、俺は、一人じゃねえ。
人間を舐めるなよ、メルエム。

Meruem 122
「 メルエム、それがおぬしの名だ。

蟻の王、メルエム。
おまえさんは何もわかっちゃいねえよ。
人間の底すらない進化を」

そして、ネテロは、
王を道連れにせんと、
自らの体内に埋め込んだ核爆弾
「ミニュチュ・アローズ」を炸裂させた。

彼は、
「地獄があるなら、また会おうぜ」
という言葉を王に残して、
自らが創り出した地獄に、
自らの意志で堕ちて行った。

Meruem 126-6

Meruem 126-4
炸裂の瞬間、王は気付いた。
きさまは、詰んでいたのだ! 
初めから!



127話

王の元に向かうプフとユピーは、遥か先の黒煙を目撃し、
すべてを理解した。




  1. 2016/05/18(水) 22:19:41|
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